mitsu2019

映画に関する感想などで御座います。

フォード vs フェラーリ

伝説の実話を映画化した「フォード vs フェラーリ」を鑑賞。これは絶対劇場でしょ、つー事で仕事も適当にして映画館へGO!

 

 

 

 

1964-1966年にかけてカーレースの世界で凌ぎを削った、アメリカの自動車王ヘンリーフォード二世と、イタリアのレーシングメーカーフェラーリの天才創始者エンツォ・フェラーリ。ガソリンの匂いと爆音響くカーレース全盛期を舞台に、二人の自動車爺が戦うお話。ではありません。

 

 

ヘンリーフォード

エンツォフェラーリ

 

 

伝説のカーレーサー、キャロル・シェルビンと、ケン・マイルズとの、男の友情物語であるのである。シェルビンには鉄板俳優マット・デイモン。マイルズは役を凌駕しちゃう、うるさ型俳優クリスチャン・ベールが演じている。この二人実に良かった事を始めに伝えつつ本編の事を語ろう。

 

 

シェルビン&ケン

 

 

業績不振の自動車会社フォード社は、打開策としてスポーツカーの量産を企画する。手っ取り早く、カーレースで王者のイタリアフェラーリ社の買収を試みるも、レース関係の取り仕切りをフォード社が担う契約条項に腹を立てたフェラーリ社の代表エンツォ・フェラーリに「お金で買えないものもあんだばかちんが」と断られ、それに怒ったフォード社長は、レースでフェラーリに勝って仕返しをすると宣言。両者子供。

 

 

「あー!フェラーリ潰す」

 

 

しかしレーシングカーのノウハウが無いフォード社は、零細人気カーメーカー会社に目を付ける。社長は当時カーレースの最高峰だった、ル・マン24時間耐久レースで唯一優勝したシェルビンだったのです。そこでテストドライバー兼技術アドバイザーとして働くのが、ケン・マイルズ。二人はフォード社の依頼を受け、ル・マンレースで勝てるクルマの開発に乗りだすんです。

 

 

クルマ好きにはここ迄でもう最高の世界。もう前席のカーマニアおっさんはノリノリで身体揺らしてます。GO!GO!って感じ。そうですここから、フォード爺とフェラーリ爺の話から、現場の二人に話が移行します。フォードとエンツォはウイスキーとワインでも飲んで、待ってろ、って事です。

 

 

出来たよGT40!

 

天才ドライバーである、ケンの自信過剰な職人気質があだとなり、フォードの経営陣営に疎まれ、干されちゃたり、その中を巧く取り持つ苦労をシェルビンがしたりして、GT40という名車が生まれ、紆余曲折ありながらも、ケンがそれを操り、ル・マンレースに参加する事になり、そして・・・!

 

 

「俺は何のためにここへ来た?あー!」

「右フォード、左フェラーリっす」

 

 

この映画、面白いけど本来は題名「シェルビン & ケン」かなと思う。そこ中心に描いたバディもの。米国と欧州の自動車文化の違いと、フォードとフェラーリの技術者の事や、フォード氏とエンツォ氏の生い立ち的な話にもなり得たが、市井の人間を中心にして描いたのだ。家庭ドラマも織り交ぜ、大会社の欺瞞を破る零細企業の爽快感を描いた。あ、あれ? これって下町ロケット (笑)

 

父と子の交流も織り交ぜつつな欲張り映画

 

どの業界にも国にもあり得るお話なんですね。1日1200台を量産するフォードが、月に600台の手作り工場フェラーリに敵わず、アメリカの零細自動車改造・修理・販売小会社に助けを求め、そして勝つというこれまさに、下町ロケットだ。しかしながら、やはりこの映画は実在の人物、シェルビンとケンの人物像に注目した。二人とも第二次世界大戦に従事し、シェルビンは空軍パイロット、ケンはノルマンディー上陸作戦で戦車部隊に所属。そんな二人だから、レースに賭ける情熱はクレイジーの一言に尽きます。

 

 

こんな時代でこんな野郎どもになりたかった

 

 

型破りで人間味溢れる魅力的は人物は、もう現代に中々出てこないだろうと思いつつ鑑賞してました。ガソリンと電気、コンピュータと算盤、固定電話とスマホ。便利さは人の強さを失わせる。劇中で、シェルビンが「やるべき事が見つかった人間は幸せだ」と語ります。本当にそう思います。

 

嗚呼、またマニュアル車に乗りたくなったー!